場所 | 五観堂 |
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メニュー | 神勝寺うどん 1,200円 ※別途拝観料が必要 |
営業時間 | 11:00~14:30 |
神勝寺の本山である建仁寺の僧堂では「四九日(しくにち)」と称して四と九のつく日の齋座(昼食)に湯だめうどんの形で食べます。
また年に何度か信者さん等からの寄進による「うどん供養」という日にも同じような形でうどんを食べます。基本的にうどんはいくら食べても良いことになっていますので、雲水は平均7~8玉、多い者で10玉以上食べる強者もいます。
禅僧にとって懐かしい神勝寺うどん
四九日の午前中には平生以上に丁寧な掃除を行い、剃髪をし風呂に入ることが許されています。雲水にとって一番のご馳走はうどんで、禅僧にとって僧堂のうどんは懐かしく忘れられないものです。なぜなら、僧堂での食作法は読経と鳴らしもの以外の一切の音はご法度ですが、うどんを食べる時だけは豪快な音を立てて食べなくてはならないのです。
四九日に食べる由来
四九日にうどんを食べる由来について明確な説がないのですが、京都の臨済宗大本山東福寺開山 円爾弁円(聖一国師・1202年~1280年)が1241年に中国から製粉の技術を持ち帰ったことから、臨済宗とうどんは切っても切れない縁でつながっていることが一つの要因かもしれません。
「持鉢(じはつ)」と「雲水箸」
食器ですが、僧堂では「持鉢(じはつ)」と呼ばれる五枚組の器を使って三度の食事を頂きます。 うどんを食べる時の使い方は、器の大きいものを左から順に並べ、
一番大きい器:うどん出汁(平生はおかゆ又は麦飯)
二番目の器:おかず(平生は味噌汁)
三番目の器:沢庵(平生はおかずと沢庵)
に入れていただきます。
箸も「雲水箸」という修行僧が使うものです。長く手で持つ部分が非常に太くできています。
臨済宗では食事をいただく前に必ずお経を読みます。お経を読むときの合図の柝(拍子木)がない場合に使います。
食事の前に読むお経は、般若心経などがあります。その1つが「食事五観之偈」という偈文があります。この偈文にちなんでここを「五観堂」といいます。以下に「食事五観之偈」を記します。
一つには功の多少を計り彼の来処を量る。
二つには己が徳行の全欠を [と] 忖って供に応ず。
三つには心を防ぎ過貪等を離るるを宗とす。
四つには正に良薬を事とすることは形枯を療ぜんが為なり。
五つには道業を成ぜんが為にまさにこの食を受くべし。
持鉢を使い食事のありがたさを感じることができれば食に対する考え方が少し変わるかもしれません。